あるユーチューブ企画さんのインタビュー受けることになりました。
自閉症児に対するサポートそして自閉症児と家族に対する周りの関わり方について語ってほしいとの事。
人の考え方、受け取り方、環境はそれぞれ違いますから、これが一概にカナダの自閉症サポートっと言う事は言えません。
しかしながら、自分の経験を語りたいと思っています。
さて何を語ろう。。
過去の経験を振り返ってみたいと思います。。
自閉症の長男は今年で12歳になりました。
3歳の時に診断を受けたので、自閉症児の子育ては今年で約10年になります。
長いようであっという間に過ぎた10年。
しかしながら、この10年を振り返って、本当に辛かったのは、診断を受けた直後です。
真っ暗闇だった日々。
自閉症って何だろうっという検索から始まり、自分の子供が自閉症という違和感との葛藤、他の子供たちとの比較、もしかすると自分が原因ではないだろうかという疑惑、それが頭の中をぐるぐるとまわる日々でした。
そんな中でも、自分がポジティブに楽しく子育てをすることが出来るようになったのは、自分の中での学びと成長、そして同時に環境のおかげだと思っています。
環境のほうがむしろ大きかったかもしれません。
カナダでは自閉症の診断を受けるとまず最初に自閉症ファンディングの申請をしてくださいっと言われます。
自閉症ファンディングとは自閉症の子供を対象に受給することが出来る政府からの助成金で6歳以下の子供は年間2万2千ドル。6歳から18歳の子供は年間6千ドルの助成金を受け取る事が出来ます。
これは親が受け取る金額であり、6歳からは、金額が減るのではなく、その大半がその子供が通う学校にあてがわれると聞いています。
カナダの学校はインクルーシブ教育といって自閉症の子供も普通級に通います。
長男も小学一年生の頃から普通級に通い、今年で六年生になります。
学校には本当にお世話になりました。
実際、自分が学校に一緒に通っているわけではないので、お話を聞く事でしか内容は理解していませんが、サポートの体制について感動する事多々あり。この6年間の長男の成長は学校のおかげといっても過言ではありません。感謝しています。
さて話を長男3歳、自閉症と診断された直後に戻すと。。
助成金をうけとって、まず最初に思ったことは、
いきなり2万2千ドル?どうやって使うの?何に使うの?
長男の名前のアカウントに表示されている2万2千ドルという金額を見て、唖然としていました。
そこで手渡されたのが、親のための手引き、自閉症プログラムのガイドです。
多国籍国家のカナダは数々の言語でもこの手引きを作成しており何と日本語版もあります。
自閉症の子育てというとんでもない壁にぶち当たっている親にとって、この手引きは、本当にありがたいものでした。
この手引きの中から、長男にどんな療育が必要か学び、様々な民間療育サービスに問い合わせをし、アポイントメントを取り、事がどんどん進みました。
この手引きの他にも、今、思うと、ありとあらゆる形で、行政の方々が、声をかけてくれた記憶があります。今でも、もちろん、行政の方が声をかけてくれます。
少しでも困っている事を相談すると、それに応じて、こんなサービスがあるけど、どうかしら?申請してみる?こういったサービスもあるから、後々、何かあればいつでも声をかけてね等。
当時は、担当者の名前や電話番号が手元にどんどん集まり、選択肢がありすぎて、混乱する事もありましたが、ここまでサポートしてもらって本当にありがたいっと思う日々でした。
今思うと、選択肢がたくさんあったことで、自分の中にも学びや気づきが生まれ、長男にとって何が一番必要なのか、親としてのカンが研ぎずまされていったような気がします。
行政から与えられる受け身のサポートだけではなく、親が助成金という力を与えられ、様々な療育を学び自発的にサポートを選択していく環境。
障害児の親が力をもらえる環境。
それが、カナダ政府の自閉症サポートかなっ。。ふと思いました。
よし、インタビュー頑張ります。笑