幼少期の遊び方指導。これは長男が幼い頃に何度も繰り返した方法。小学校5年生なった今、周りをみて学び、相手の目を見て話せるようになったのは、この指導のおかげだと、今でも実感しています。
通常、0歳から24ヶ月の間に、子供は周りを見て、言葉を学び、大人の表情を学び、行動を学ぶ。その学びの結果、成長するにつれて、大人の行動や、外で見る景色をマネた ”ごっこ遊び” が主流をしめてくる。おもちゃでの遊びも一つの遊び方ではなく様々な遊びが出来るようになってくる。
自閉症スペクトラム障がいを持つ子供は、周りに関心がない。周りをみないという傾向があります。その結果、遊び方に特徴があると言われています。特徴の主な例は下記の通り。
- 同じことを何度も繰りかえす。
- 同じおもちゃで、いつも遊ぼうとする。
- 簡単で単純なおもちゃが好き。
- 変わったモノで変わった遊び方をする。
- ごっこ系の遊びがあまり好きではない。
- 同じおもちゃで長い時間遊べる。
この遊び方を少し指導することで、周りを見る行動、社交性、言葉を促す事が可能になると言われています。今回、学んだ指導方法は下記の通り。単純遊びから、ごっこ遊びに遊び方を変えていくよう促す=周りを見る、社交性、言葉を促す、という方法です。
- お気に入りのおもちゃを取り出す。(例:車)
- いつもと違う遊び方を本人に見せる (例:車を並べる、車をブンブンと音を鳴らしながら駐車場に入れる。街を作ってその中を走らせる。ごっこ遊び)
- 子供に、次はあなたの番、っといって、同じように遊ばせる。一人単純遊びから、ごっこ遊び、相手がいる順番遊びに指導。
- この方法を、日々繰り返して、単純遊びから、ごっこ遊びに変更できれば成功。ごっこ遊びが出来るようになった時点で、自分の番を少しずつ減らしていく。
幼少期ばかりでなく、この指導の基本的な考え方は、今でも応用して使っています。最初はできなくてもいい。まずお手本をみて真似る。そして学ぶ。繰り返すうちに出来るようになる。自閉症スペクトラム児に限らず、これは誰にでも当てはまる事だと思います。
この指導法を改めて学んで思ったこと。マネて学ぶ事は大事、だけど、すぐに出来るか出来ないかは人によって違う。皆、静かに座っているから自分も静かに座る。人によっては、静かに座るという行動が、まったく苦痛に感じず、2時間でも3時間でも座っていられるかもしれません。でも、静かに座るという行動がとても苦痛で、5分が限界という人もいるのです。
その5分の限界を乗り越えて、その人が、10分座っていられた時、ワタシは、前者の苦痛なく数時間座っていた人より、10分に延長できた後者を絶賛評価したい。
世の中も、見える結果ではなく、個人の限界、能力を尊重し、努力を認める。そういった社会になってほしいと思います。