今月7日は自閉症の長男の11歳の誕生日。週末に学校のお友達8人を招いて、バースデーパーティーを自宅で行いました。ドアのベルがなるたびにニコニコしながら喜んでドアを開ける長男。皆でワイワイ遊んでいる中、自分なりに声をかけて遊びに参加し、数分離れて部屋に引きこもり、また出て来る。誰も変な風に見ない。すごく自然だ。そんな風景を見ながら長男はとても幸せだなって思いました。
3歳のバースデーパーティーの際に他の子供達が楽しそうに遊んでいる片隅で一人ポツンとしている長男の姿を見て、自閉症という言葉が、頭をよぎった瞬間を今でもはっきりと覚えています。その直後に病院で正式に自閉症と診断され、しばらく何をして良いのか分からず模索の毎日でした。凄く辛かった。。
もともと若い頃から知り合いや友人を家に呼ぶのが好きな方だったので子供が生まれてからバースデーパーティーは1歳から欠かさずに行ってきました。赤ちゃんの頃は赤ちゃんグループとお母さん達、幼稚園に入ると幼稚園のお友達グループ、小学校に入ると小学校のクラスメート等。
長男が大きくなるに連れて、”そろそろお誕生日だね。誰を招待したいの?尋ねても全然返事なし。ようやく回答を得ても、”Everyone(皆)!” その答えしか帰ってこなくて、低学年の頃は毎年クラス全員を招待していました。たかがバースデーパーティーですが自閉症の子供を持つ親にとっては、自分の子供がどんな子供達と学校で毎日接しているのかを知る格好のチャンスです。親御さん達とも知り合えるきっかけが作れます。
小さい頃は狭い場所だと癇癪を起こす可能性が高かったので、近くのレクセンターで場所貸出、ダンスバースデーパーティーみたいなものがあったので、それを申し込んでいました。ダンスパーティーは良かったです。担当の先生がいて、皆で音楽に合わせて好きに踊ったり遊んだり、で、ダンスが終わったら、隣の部屋に移動して、ピザとちょっとしたスナック、ドリンク食べて、ハッピーバースデー皆で歌ってケーキを食べて終了。息子は好きなだけグルグルまわって大喜び。他の子供達も大喜び。小学校2年まで、それを毎年繰り返していました。息子がクラスで親切にしてくれたっと一言でもその子の名前を言うと書き取ってバースデーの際は必ず声をかけていました。親御さんに会うと、息子さん、うちの息子がすごく優しくしてくれたって教えてくれて、本当に感謝していますっとお礼の言葉を伝えていました。
小学校3年生からはパーティー会場を自宅に変更。私の方で、特にクラスで親切にしてくれるお友達かな?って思うクラスメートに絞って息子に提案しながら、それでも10人くらいお友達を招待していました。女の子にも凄く優しくしてもらっていたのですが、全員呼ぶとやはり人数が多くなってしまうので、男の子のみにしました。バースデーパーティー用に出張手品ショーしますって方がいて、その方を呼んで手品してもらっていました。自閉症だということを前もって伝え、長男が喜びそうな芸を選択してもらっていました。
そして5年生になった今年、そろそろバースデーパーティーの時期だなって思っていた年末、息子の方から、お母さん、今年は、このお友達を呼びたいっと、本人がリストをくれました。5人のお友達の名前が書いてありました。その後、そのリストに3人加わり、参加してくれたお友達は8人。今までのパーティーの中で、一番、私には手がかからず、子供達が皆で楽しく遊んでくれる素敵なパーティーになりました。3歳の頃には想像できなかった光景です。
自閉症というと、社交性にかけるお子さんが多いと思います。でも一人でいたくて、一人でいるだけじゃないと思うのです。参加したいけど、どうやって参加して良いのか分からない。大人が参加しなさいって背中を押しても、子供は正直なものです。他の子供達が違和感を示せば、やはり入っていくのは難しいと思います。他の子供達が小さな頃からきちんとした教育を受け、違和感なく障がい児達と接するスキルが身につけば、自閉症の子供達にとって、社交性を伸ばす大きなきっかけになると思います。
他の子供達にとっても、そういうスキルを身に付けることは素晴らしいことだと思います。人は皆、もともと違うのだし、その違いを認められる大人が増えた時、個人の能力がもっと大きく飛躍するような気がするのです。社会全体がとても優しいものになると思うのです。長男のバースデーパーティーを見ながら、ふとそう思いました。
これからも、そんな瞬間を増やしていきたい。頑張ろう。。